このレビューはネタバレを含みます
シリアルキラーの記録ものとか読んでると、全く動機が理解できないことがあるんだけど、その理由がこれを観てちょっと分かった気がした。
そうか。そもそもの、見てる世界が違うのか。
嫌悪してても、気持ちいいのか。
彼らのみてる世界はひょっとしたらこんなふうに都合よくポップで居心地がいいのかもしれない。
犬と猫は彼の善意と悪意の象徴。
彼の世界では片付いた部屋に、積み上げられた死体のパックなんて存在せず、血のあともないし、生首は無邪気に喋る…
ジェリーのみている世界と現実が時折交差して、観客はぞっとする。
殺しは殺しなのだ。死は死。
だからジェリーは薬を飲まない。
現実をみるくらいなら、壊れたままの方がましだから。
そんなものがズシンとくるくせに、笑えるんだから全く不思議。
ジェリーの気持ち悪い笑顔が説得力ももてる。
統合失調症の殺人犯目線の映画、新しいわぁ。