滑頭

ドクター・ストレンジの滑頭のレビュー・感想・評価

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
3.8
MCU映画の作られ方って、TVドラマ的な作られ方で、そこがどうもネックだなぁと。全部繋がった話だから、途中から観始めるのが厳しくて、新規ファンの開拓が難しいという点もあるし、前後の続いた話を含めれば面白いかもしれないけど、同時にそれは他作品との関連性を無理やりにでも持たせなければならないということで枷にもなってしまうし、そのせいか一本の映画作品として素晴らしい、楽しめるものになっているかというと懐疑的にならざるを得ない作品もある。
個人的には、フェーズ3はまだピンと来てないぞ。

本作は、話が面白いかどうかは微妙。無難な娯楽映画だなという印象。突出して良い部分は無い。全てに既視感があって新鮮さはない。監督がスコット・デリクソンである必然性をそんなに感じなかった。MCUは同じ世界観の繋がった話でも、それぞれの監督による作家性が表れるのが面白いところだと思うけど、スコット・デリクソン、イマイチ跳ね上がらず。
マッツ・ミケルセンのキャラクターとかも薄いし。まあMCUは全体的にヴィランのキャラクターが薄いけど、本作は特に。
カンバーバッチの演技はさすがに安定感のある良さ。
ティルダ・スウィントンはめちゃくちゃカッコよかった。最高のキャスティング。
映像は物凄い。特に最初のトリップシーンと第1クライマックスのNYでのバトルシーン。これは今までこういう娯楽映画なりヒーロー映画では見たことのない映像。かなりアヴァンギャルドでドラッギーで面白い。これは品川のIMAX3Dで観てよかった。
ジアッキーノの音楽は相変わらず素晴らしい。さすが。ハズさない。

しかしまあ、こんなキャラが出てきちゃったら今後この世界はどうなっちまうんだろうか。

2017/02/06 @品川プリンスシネマ
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