ダース米田

ドクター・ストレンジのダース米田のレビュー・感想・評価

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
3.8
天才外科医から魔術師へ。
スティーヴン・ストレンジは全てを失い、堕落し、覚醒する。

こちらもまたアベンジャーズでお馴染みのマーベル・シネマティック・ユニバースに属する新たなヒーロー作品です。
本作はこれまでのMCU作品としては珍しく、東洋的なビジュアルや思想を軸に描かれており、3Dとの相性抜群の斬新な映像表現や多次元世界を組み込んだ世界観が特徴。

アントマンは王道ヒーロー物&コメディ、ガーディアンズは本格派スペースオペラと、常に斬新な作風を取り入れるMCUシリーズにまた一つ新たなシリーズが誕生したと言えるでしょう。


本作の魅力は、天才的な医療の腕を持って富と名声を得ていた男が、ある日事故に遭ってその能力を失ってしまう所にあります。
あらゆる手段を用いて医師としての腕を取り戻そうとするも全て失敗、財産も底をつき、絶望へと転落する過程はとても辛いものがある。
そして最後の手段としてたどり着いたカマー・タージと呼ばれる不思議な寺院で修行を積み、真のドクター・ストレンジへと覚醒。

これまでのMCUヒーローと比べて転落の度合いが半端ないストレンジなだけに、そこまでの流れには目が離せませんでした。
また、3D映像の迫力も段違いに素晴らしく、3D映画としてはMCU最高傑作と言っても過言ではないです。劇場で見れたのがとにかく嬉しい作品です。

ただ残念な要素としては、本作の悪役はかなり弱い印象で、あまり魅力が感じられなかったこと。また、ストレンジの方も何かと都合よくマントに助けられる場面も多く、その滑り気味なギャグ演出もちょっと寒い。


まあ改善すべき点は少なくありませんが、全体的な印象としては十分満足のいくレベルには達していました。
また、アベンジャーズ3に向けての仕込みもしっかりと描かれており、この先もまだまだ楽しみが尽きません。
ダース米田

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