塩野ダイ

名もなき塀の中の王の塩野ダイのレビュー・感想・評価

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)
3.8
イキって生意気で手の付けられない凶暴な青年エリックが、刑務所で離ればなれになってた親父やそこで出会った仲間、不条理仕打ちを受け獄中という社会の中で次第に成長していく物語。

王様ってより王子って感じかな、ドラゴンボールのベジータを思い出したり。言葉や暴力のコミュニケーションを通して徐々に人間味が出てくる。

観る前は刑務所で起こるドイヒーで無慈悲な仕打ちを期待してたんだけど、割りと主人公の暴力性が高いのでそんなくだりはあまり無く、リアルな刑務所ライフをみれるので、それはそれで興味深い。特にオイル塗りたくるとか、ライターと歯ブラシの使い方など新鮮で嬉しい。

親父とその子供の微妙な距離感の不器用なやり取りが、限られた人間関係・限られた刑務所という空間で上手く引き立ってた。

エリックを演じたジャック・オコンネルの総合格闘家のようなリアルな暴力の佇まいは凄く良かったすね! 親父ネビルのどうしようも無いヤツ演技もなかなか!
塩野ダイ

塩野ダイ