こもえ

サヨナラの代わりにのこもえのレビュー・感想・評価

サヨナラの代わりに(2014年製作の映画)
4.7
これは泣けた…物語が進んでいくにつれだんだんと結末が予想されたけど、それゆえに泣けました。
厳しい現実に立ち向かった2人の女性の姿がとても印象的な作品です。

ALSという進行性の難病にかかったケイトと介護人のベック。ベックは介護人としての素行には“問題あり”かもしれないけどケイトは心の内を打ち明ける友人として彼女を必要とする。
どこか「最強のふたり」を彷彿とさせる映画ですが、この作品もかなり魂を揺さぶられます。

私自身はどうしても介護される側の目線で観てしまうのだけど、介護する側される側の関係性で対等を保つのはなかなか難しいものがあると思います。ケイトと夫がそうであるように。
同情、憐みとかの視線の痛さを感じるケイトにベックが心寄せるシーンは感動的、お互い惹かれ合うものがあったケイトとベックにはしてもらう・してあげるの関係を超えた絆が生まれ、お互いが生きる支えとなっていきます。最後のケイトの決断を受け入れたベックのこれからの人生が幸せであるように願わずにはいられません。

自由奔放なベックを感情豊かに演じたエミー・ロッサムがすごくよくて自分の殻を破りたいけど一歩踏み出せない女性を素敵に演じていました。ケイトを演じたヒラリー・スワンクの演技が真に迫っていたのは言うまでもありません。
2016.08.27鑑賞
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