よるこ

追憶と、踊りながらのよるこのネタバレレビュー・内容・結末

追憶と、踊りながら(2014年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

バス事故で亡くなった恋人のカイの母親に会いに来たリチャード。施設でいい感じになったアランと過ごしながらも、言葉が通じず、息子のことを想う日々。
カンボジア系中国人の母とフランス人とのハーフだった父の元に生まれたカイは、たった一人の肉親である、イギリスに馴染めない母にカミングアウトしようとようやく決心した矢先だった。

母とアランの通訳を友人に頼み、ディナーを作ったり協力するも、言葉が通じ出してから、お互いがお互いでしかないということに気づき、距離を置こうとしていた。
そして、最初は息子との愛を奪い合っていたただの親友だと思っていたリチャードに真実を告げられ、孤独の中にも希望があることを匂わす最後。

とても美しくて、綺麗な光の映像だった。過去のカイ、空想のカイ、言葉が通じてしまったが故に深くつながっていたと思っていたものが壊れる瞬間。
通訳されないと、私たちも彼女の言葉がわからない、という演出もとても良かった。
よるこ

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