付き合って7年になる夫婦コナーとエリナー。エリナーはある事情で家を出ていき、髪を切って大学の聴講生としての新しい生活を始めるが・・・
「ゼロダークサーティ」や「インターステラー」等で演技派の地位を確立し始めている女優ジェシカチャスティン主演による恋愛映画。
1組のカップルの物語を二つの映画で映し出すという斬新な構成に驚き、早速ディスカスにて鑑賞。 先に「コナーの涙」の方を鑑賞し、こちらはその後・
※このレビューは前に上げた「ラブストーリーズ コナーの涙」と一緒にご覧下さい。
~これはエリナーの再生の物語~
彼との子を失った。
それなのに悲しんでいるのは自分ばかりな気がして。
彼との心の距離は広がっているばっかり。
だから彼と距離を置くことにした。
私を追い回さないで欲しい。
恋しいのに、一緒にいられない。
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全てオレンジ系の色調で見えるNYの街並みと景色。これは彼女の浮き沈みの激しい情緒と繊細さのフィルターを通して見える主観の世界なのかもしれない。ベッドに横たわると蘇ってくる彼との楽しかった思い出や美しい風景。「コナーの涙」の方のレビューで
”「女性は切り替えるのがあっという間で男はズルズルと引きずりやすい」 というのが表せているのかもしれない”
と書いたがそんなことは全くなかった。彼女は彼女なりに苦悩し、考えて行動していた。
女性の気持ちを理解するのは本当にむずかしい。この劇中での彼女の心中すら察せなかった自分は現実での恋愛でも失敗を繰り返すのだろう(笑)
主演のジェシカチャスティンの感情的な演技はとても印象に残った。
ただ、顔があまり好みじゃなく、何故か途中から俳優ジャレッドレトが女装した姿に似てると思ってしまい残念だった(笑)
エリナーの心を通わせる大学教授にヴィオラディヴィス。
「ヘルプ~」や「プリズナーズ」で最近ちょいちょい観る黒人女優だが、こんな頼れる女友達いたら毎日ランチに誘いたい。
またエリナーの母親役のイザベル・ユペールはいい歳なのに何故か色気を感じて自分が熟女マニアに目覚めてしまいそうだった。危ない危ない。
コナー側のキャストはあえてこちらでは記述しないことにする。
「コナーの涙」「エリナーの愛情」を両方観て気づいたことは同じ出来事が起きてるのにそれぞれの映画でディティールが異なっているということ。それは着ている服の違いだったり、セリフの内容や順番だったり、見える景色の違いだったりと沢山発見できる。これは男女の見ている世界の見え方の違いと主観での記憶の曖昧さを表しているのかなと思った。素晴らしい試みだ。
ということで二つの作品を観て総合の得点は
3.8点
個人的には男性だからか「コナーの涙」の方が好きだった。
「エリナーの愛情」単体で見たら
3.5点
くらいかもしれない。
ラストの一瞬はエリナーの方が好きだった。
コナー側のレビューも上げているのでそちらをご覧頂きたい。
セル版限定でもう一つ別のお話があるらしく、そちらは未鑑賞なのでどなたか僕の家で再生してください(笑)
コナー、あなたはいつわかってくれるの?
恋愛映画好き、ジェシカチャスティンのファン、そしてカップル男女の視点どちらも見てみたいという方にはオススメの作品。