ハリボ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスのハリボのレビュー・感想・評価

5.0
【2020年86本目】

父の尊厳は、大人になって気づく。

初鑑賞時、一作目によって鬼のように上がっていた
ハードルをオープニングのグルートダンスででぶち壊した映画。
ガーディアンズにまた会えた喜びで涙が止まらなかった。しかし、この時流した涙にはもう一つ理由があったんだと後々気づく。

星5個じゃたりない、星500億個あげたい、そんな大切な映画。

前作は孤独のピーターが、母とのトラウマを越えた先に仲間と出会うという構造だったのに対し、
今作は血筋が繋がっている父との出会いによって、自分にとって本当に大切な家族を見つけ出すという構造になっていると思う。

その上でかかせない存在がヨンドゥ。
前作では悪どいキワモノキャラが何故そうだったのか、彼の秘密が明らかになった時、涙腺というダムが決壊し、涙の海が現れる。経験談笑笑

この映画は終始ヨンドゥの映画だったと思う。冒頭でクイルの両親が乗っている車はヨンドゥカラーだし、ナイトライダーの例えも劇中登場する。
グルートダンスで流れる曲名はMr.blue sky。
ヨンドゥは青い肌で、自分のことをメリーポピンズだとも言っていた。
つまり、彼は青い空の男なのである。

父という存在は、仕事で外に出ていることが多く、母よりも身近に感じることができない存在だと思う。また親という存在は、自分で選ぶことができない。だから、隣の家の親が羨ましいと思うこともある。何故自分の家はこうなんだ、とも思うかもしれない。そうは思ってもつながりは消えないと思う。他の家族と違っていたことがあったとしても、同じ屋根の上で暮らしていたら、家族なんじゃないかと思う。

ここで、個人的な話になってしまうが、
公開当時、家族内で問題があり、親不信に僕はなっていました。
こんな家族嫌だと思っていた時に、この映画を見て、すごく羨ましく感じた。
ああ、ガーディアンズのような家族になれたらどれだけ幸せだろうか。最初はそう思っていたが、考えれば考えるほど、ガーディアンズの人達も僕らと同じようにぶつかり合って、いがみあってるなと気づいた。

話を戻すと今作は当初、ヨンドゥは退場しない展開だったそう。
ただ、生存ルートだったとすると伝えたいメッセージが本物にならないとジェームズガンは考えたそうで、脚本を変えることになったのだとか。
ヨンドゥ演じるマイケルルーカーと監督のジェームズガンは、プライベートでも仲が良く、ガン監督の映画には、必ずマイケルルーカーが登場する。そういった点を踏まえて、作中のヨンドゥの結末を考えると、ガン監督が如何に作品を追求したのか感じることができる。

フィクションの銀河系の彼方でコミカルに生きているキャラクターにもかかわらず、生きているように感じ、それに共感を覚えるのは、この作品が生きているからだと思う。

人との関係は、自分がもっとこうしたいと思うようなことばかりになってしまうと思う。けど、今ある関係が、時にすごく素敵だと感じることもある。きっと、僕の周りの人々と僕はガーディアンズのようなもので、地球という銀河で僕らは今日も映画見て、笑ったりするのだ。
映画の世界にいなくても、僕らの生活は劇的で素晴らしい物語だと思って生きていきたい。

そんなことを気づかせてくれる、
ガーディアンズはこれからもずっと好きで大切な作品だ。父を乗り越えたクイルの活躍が、生みの親であるジェームズガン監督続投で見れるこの世界線に感謝したい。ファンの皆さんの応援と、ジェームズガン監督、ありがとう。

今日もMr.blue skyを聴いて、ちょっぴり泣いて空を見上げるよ、ヨンドゥ。
ハリボ

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