こういう宇宙モノがあったもいいんじゃないか?!
そんな気にさせられた一作。
インターステラー、ゼログラと深遠でやや難解な作品が近年のトレンドではあるが、本作は少し違う。
まず、宇宙(本作の場合は火星)に置き去りという絶対的孤独をいとも簡単に日常的なトーンで描き切った。
しかも見方によっては、マットデイモン自身が火星に置き去りのシチュエーションを自ら楽しんでいる感すら感じる。火星版Cast Awayとの趣。
ただ、娯楽映画の域は出ないのだが、生きるということに対する積極性や肯定的な姿勢が清々しく、こういう宇宙モノもありだ!と思った次第。
インターステラーのように地球が腐ってる訳でもなく、ゼログラのように娘を失ってる訳でもない。あえて地球生活というバックグラウンドをほとんど描かなかった点が演出としては吉。
マットデイモンが新芽に対してhi there!と優しく撫でるシーンがそれを象徴してる。
火星でも地球でも彼自身の生きることへのスタンスは全くブレない。