よるこ

パレードへようこそのよるこのレビュー・感想・評価

パレードへようこそ(2014年製作の映画)
4.9
1984年のイギリス、ゲイパレードに参加した隠れゲイのジョー(ブロムリー)は、LGSM(炭鉱夫支援同性愛者の会)に参加することになる。マーク・アシュトンが昔の自分たちのように政府や警察に迫害されている、炭鉱閉鎖に反対しストで戦っている炭鉱労働者を支援するために募金をしようと声を上げたのだ。

炭鉱労働組合はどこもゲイ達からの支援を恥じ、支援に応じなかったので、直接ウェールズの炭鉱町に電話すると、よく分かってない老女が応対し、受け入れてもらえた。
田舎町の人々は最初は戸惑うものの、彼らの格好良いダンスや支援に割とすぐ打ち解ける。一部、ホモフォビアな代表委員の裏切りにより、新聞に批判記事が出て、卑劣な採決が行われるまでは。
サッチャー政権下で1年にも及ぶストを闘った彼らは、結局負けてしまった。
しかし、1985年のゲイ・プライド・パレードに参加してくれ、互いに助け合い、ゲイの権利法案も全国炭鉱労働組合の支持により、やっと可決される。
ストには敗れるものの、互いの協力が歴史を作る様が描かれていて、素晴らしい。
ビル・ナイとザ・スミスに惹かれて手に取ったけど、実話だというその連帯に胸が熱くなった。
活動を始めたマークはエイズで亡くなった、ゲイの歴史も感じられる。
寂れていく炭鉱町、産業革命を生み出し、日本を日露戦争勝利へ導いた石炭、世界中で炭鉱事故や閉山によって様々な歴史があったと思う。この映画はゲイレズビアンと連帯したというユニークさがとても面白い。
主演はビル・ナイだけれど、女性達のたくましさやジョナサンやマーク、ゲシン、ステフが、彼らの活動に参加したことで大学に行き、のちに議員になる女性シャンも素晴らしい。
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