ひろぽん

世界から猫が消えたならのひろぽんのレビュー・感想・評価

世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)
4.6
ある日突然脳腫瘍で残り少ない寿命を告げられた僕と僕にそっくりの悪魔との契約で世界から1つ何かを無くすことで1日の命を与えてもらえる。無くなっていくモノに関する自分の思い出も同時に消えていく事に悩み、何が本当に大切なのかを気づいていく川村元気原作の物語。


1日の寿命と引き換えに何かがこの世界から消えていく…。電話、映画、時計、猫?…。
それは僕にとってかけがえのないもの。

電話が無かったら出会わなかった彼女。映画が無かったらできなかった親友。時計が無かったら生まれなかった愛。猫がいなかったら育めなかった家族の絆。

この世界のかけがえのないモノは、人と人の出会いのキッカケでしかないが、そこには沢山の思い出と愛で溢れている。明日大切なものが1つ欠けると思うと切ない。

明日この世界から僕が消えたなら世界は何か変わるのか?いや、変わっていて欲しい。

大切なものは無くしてからからはじめてそのありがたみに気づく。この物語はそんな大切なことを教えてくれる作品。


“何かいい物語があってそれを語る相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない。“
僕とタツヤの何度も繰り返される映画『海の上のピアニスト』の名言のやり取りが好き。

映画マニアの親友に、映画館で働く彼女。そして映画好きにはたまらない数々の映画のタイトルがこの作品には登場する。映画好きで知ってる人にはたまらない描写だ!そして、タツヤの“邦題で損してるんだ、あれは。”という台詞は分かりみが深い。

劇中一貫して流れる音楽は心地よくて、景色の描写も綺麗で、雰囲気も最高に良い!!
弱々しい男と性格悪そうな男の一人二役を演じる佐藤健の、2倍楽しめる演技はとても良かった。そして何よりも今作の濱田岳の演技が神がかっており、ダントツで輝いてて素晴らしかった👏

ラストの展開からエンディングで流れるHARUHIの『ひずみ』の曲がマッチしすぎてて泣ける。

何か良い映画があってそれをFilmarksで語る相手がいる。それだけで人生捨てたもんじゃない。家族愛溢れる感動できるお気に入りの作品。
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