この世界から猫が消えたら、一体どうなるのかを、タイトルを観たときに考えるだろう。僕は、大して猫派でもなければ、犬派で、でも犬がいなくなったところで、そんな世界に影響はないだろう。
この映画では、この考えをもったまま観れたことが、一番よかった。
映画を観終わったころには、そんなことを考えていた自分に往復ビンタ食らわしたくなること間違いなし。
自分の命が1日伸びるのと引き換えに、なんともない日常のものがなくなるという設定。
命、水、食料がなによりも大事だと思われる世界。すくなくともそれらは確かに大事なのだが、人間は、それ以外にもかけがえのないのものを見出すことのできる生き物なんだなとつくづく思う。
後半の、抱きしめられるシーン。あれはもうやばすぎる。ああやって、誰かと出会えてよかったと思えるシーン、そして、その相手もそう思ってくれていると感じられるシーンは僕の人生に一度あるかないかわからないけど、ああやって言ってもらえてら、生きていてよかったと心のそこから思えるのだろう。
自分の人生の価値について、いろいろ考える(それはある意味、経済的にも余裕がある世界、国だからかもしれないが)ことがあると思うが、そんなときにふとみると刺さるものがある。意外と生きてきた価値はすぐそばにあるのだろう。
悪い意味ではなく、全体的に、感動的なCMをずっと見ている感じがした。ケータイのCMでも映画のCMでも使える気がする。
あと、濱田岳の泣くシーンはすごい。よくもあんなに涙がぼとぼと出るもんだ。でも、あの映画のシナリオ聞いて実際に演じてみると意外と簡単に出てしまうかもしれないなと思ってしまうぐらい感動をそそる出来栄えでした。
彼は聲の形でいうところのナガツカくんポジションだな。