マサ

我々は有吉を訴える 謎のヒッチハイク全記録のマサのレビュー・感想・評価

3.5
ユーラシア大陸横断から12年。いま一度初心に帰りたいという思いから、有吉弘行は東北横断ヒッチハイクの旅に出た。しかし純粋な自分を取り戻すどころか、彼は東北の善良な人々を相手に、数々の悪行を働きはじめる。

ホラーは死ぬほどあるけどお笑いでは意外と少ないモキュメンタリー作品。
最近『アリケン』のしゃべり場企画を見て、改めて有吉さんの圧倒的なお笑いセンスを実感しました。それに加えて、長い低迷期から「拗ねてもまあ仕方ない」と思わせるキャラまで味方にした、ブレイク直前期の有吉さんはまさに鬼に金棒。何故か許される立場をいいことに、しゃべり場でもオンステージの無双っぷりでした。

でも案外、そのボロクソな言い分はちゃんと的を得ており、変わり映えしない当時のエンタメ業界に対する視聴者の本音も代弁していて、それを単なる「負け犬の遠吠え」に終わらせず、新しいエンタメまで昇華させた有吉さんの毒舌は、改めて考えてもかなり革命的だったのである。テレビという枠の中で、アンチテレビを爆発させた。映画で例えるなら…まるで、コネだらけで時代遅れのハリウッドに異端児として新風を吹き込んだデニス・ホッパーのように偉大である。はず。

閑話休題、、田舎に泊まろうのくだりとかめちゃくちゃ笑いました。ただマッコイさんのキャラはちょっと強すぎて苦手です。やはり個人的には、この頃の有吉さんが一番活きているのは「しゃべり場」だと思います。特に三又又三をメタクソにこき下ろす回。
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