Fungicide

裏ホラーのFungicideのレビュー・感想・評価

裏ホラー(2008年製作の映画)
3.9
裏モノホラー作品。
お蔵入りになったテレビ番組の取材記録等、様々な理由から封印された映像を紹介してくれるらしい。

『呪いの祠』
とあるホラーバラエティの1コーナーになるはずだった映像。
名前を知ると呪われるという祠の突撃取材をやらされる女優さん。
森に入り、件の祠にお参りして一件落着かと思われたが...
オーソドックスな心霊映像。
ただお化けはチラ見せ程度で、所謂「霊障」がメインの映像なのだがこれがインパクト抜群。良かった。

『念写』
頭の中のイメージを念写することが出来るという男の映像。
最後に海外の景色をテレビに映そうとするのだが...
何となく予想がついたため正直微妙。

『スプーン曲げ』
小学生達の前でスプーン曲げを披露する胡散臭い超能力者。
どうやら子供たちの力を借りれば曲げるだけでなく、折ることも可能らしいが...
オチで笑ってしまった。フリがよく効いている。
でも100人が見たら70人くらいが呆れて20人くらいが怒ると思う。

『幽体離脱』
某大学で行われていたという幽体離脱の実験記録らしい。
薬品を投与され、身体中に電極を付けられた女性から白いモヤが出てきて...
クライマックスの手持ちカメラ映像が妙なリアリティと緊迫感を演出しており怖い。
最後は色んな意味でぶっ飛ぶが。

『飛び降りる女』
自殺の名所となっている某所の橋。
どうやら自殺者は皆飛び降りの直前に下を見ているらしいのだが...
色々消化不良。

『謎の肉玉』
交通事故で亡くなられたという男性が海岸で撮った映像。
岩場に謎の生物の群れを発見するのだが...
ただでさえホヤが苦手なのに勘弁してください。
というか交通事故とはたぶん関係ないよなこれ。

『襲われたアイドル』
態度が横柄なグラビアアイドルの写真集メイキング映像。
撮影スタッフの1人が蜂に刺されたことにアイドルは大はしゃぎ。しかし...
まあ、こうなるだろうなと。

『手を振る女』
投稿者が大学時代に所属していたサークルの飲み会の様子を映した映像。
何気なく店の奥に目をやると、様子のおかしな女性がいることに気づき...
正体から行動まで全てが謎な女性がひたすら不気味。
オチも正統派で非常に良かった。

『ストーカー』
盗撮マニアだという男性からの投稿映像。
どうやらストーカーが一人暮らしの女性の部屋に潜伏しているらしいのだが...
最後の勢いだけはちょっと面白い。

『トシオさん』
呪怨シリーズでお馴染みの俊雄くんそっくりの怪人が住み着いているという廃ビルにやって来たレポーター達。
なんとあの人本人も登場し、一緒に調査してくれることに。
一行は薄暗い建物内を進んで行くが...
異音発生→チラ見せ→フェイク→死角からドーンの、呪怨でも使われていた黄金パターンは良かった。
しかし最後が完全に蛇足な気がする。

『追跡取材!呪いの祠』
最初のやつの続き。
祠での一件以来、すっかり変わり果ててしまった女優さんに追加取材を試みたスタッフは彼女の友人と共に祠へ向かうのだが...
予想の斜め上に転がっていったが気味の悪さは中々。

『呪術!紙人形』
凄腕らしい霊能者が女の子に取り憑いた悪霊を祓う為に行った儀式の映像。
果たしてその正体とは...
白石監督ファン必見。
曰く霊的なものの姿形とはあんな感じなのではないかと考えているそう。
尺が非常に短く、得意のアクの強さを出し切る前に終わってしまったのが惜しい。

バラエティ豊かな映像盛りだくさんで、全てに印象に残る見せ場がある。
本作における「どうせならド派手に」の姿勢は人によっては茶化されているように感じてしまうかもしれないが、1時間ちょいの間大いに怖がり、困惑し、時には笑いながら楽しめた一本。
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