ネズミツオ

ナイスガイズ!のネズミツオのレビュー・感想・評価

ナイスガイズ!(2016年製作の映画)
5.0
日銭稼ぎのノープランへっぽこ私立探偵のライアン・ゴズリングと揉め事は殴れば万事解決の示談屋さんな暴力漢ラッセル・クロウが何の因果かコンビを組んで人探しをしている内に巨大な陰謀に巻き込まれていく笑って転げて頭抱えるほど胸に染み入るアクションコメディのド傑作!!

舞台設定は70年代。しかも脂が乗りきっている1977年のエンタメ業界や世相が散りばめられており、見て聴いて郷愁に浸れる最高のステージで凸凹コンビが勝手に転んだり、殴ったり罵り合ったりするピタゴラスイッチなお笑いの連鎖反応が止まらないんです。日本でいう所のドリフ、香港だと「Mr.BOO!」辺りのオールドスタイルでベタな演出ですが、上擦った声で怯えまくるゴズリングと割腹が良すぎて接近厳禁なラッセルが絡む度に面倒事が発生。ゴズリンの娘役をやってるアンガーリー・ライスちゃんがこれまたヒネた感じを上手く出していて大人を見透かしたような表情が可愛らしいったらありゃしない!子供は素直だからなぁ。人生に壁を作ってしまった大人もギャフン!と叩かれる訳です(笑)

70'sファッションはカラフルだし大好きなんですが、そんな人間ばかり出て来たら下手なファッションショーより見応えあるってなもんですよね。デカ襟シャツにベルボトム。デザインは抜群だが無駄にデカいアメ車。ディスコミュージックもノリノリで浮かれ過ぎた時代の流行りモノが今見ると新鮮に映るからたまんない。本国から完全撤退したタワレコとかアメリカ人は懐かし過ぎて泣くんじゃないですか?そーいう重箱の隅をつつきたくなるギミックが随所に散りばめられているので目を凝らしてチェックするのもナイスガイズの醍醐味。

「プレデター」でホーキンスを演じたシェーン・ブラック監督作なのでアメコミ的なカラーもあるけど、ごく一般的な人物(と言っても仲良くなれそうな性格じゃないけど)がスーパーヒーローランディングを実施するとどうなるか?当然ただの人間だから大怪我しますw なのに過度のでんぐり返しやら学習能力の欠けた同じ失敗を116分も続けられたら呼吸困難で本作の中毒になるのは目に見えて分かります。そこに決して明るくはないアメリカの行く末を織り交ぜ、説教臭くならない程度に笑いのオブラートで包み込んだ人間模様が実に軽快で元気を与えてくれる30年に一度出るか出ないかの大傑作に仕上がっているのは間違いありません!

20ドルで見るかい?とか舐めてんのか!(爆)久しぶりですよ、こんな分かり易くて下品で爽快なコメディ見るの。なるべく大勢で楽しんでもらいたい映画。変に我慢しないで大声で笑ってストレス解消して欲しい作品。頬がシェイキングして子供に叱られなきゃやり過ぎを止められないお茶目なおじさん達が愛おしくて幸せになれる笑いのドミノ倒し。プリティ・スウィート!ハレルヤ!

【2017年3月1日(水)】イオンシネマ海老名(スクリーン7番、THX仕様)で鑑賞。※初見は「したまちコメディ映画祭~映画秘宝まつり2016~」(9月18日)の先行上映で。
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