池田カシージャス

おみおくりの作法の池田カシージャスのレビュー・感想・評価

おみおくりの作法(2013年製作の映画)
4.6
一般にコミュ障と言われる人は、傷つくのが怖くて上手く人と喋れない、そう思っている人が多いと思う。しかしその逆に、傷つけてしまうのが怖くて上手く喋れないという人もいる。ジョンメイは後者だ。
亡くなった人の為に出来る限りの事をしてあげようとするジョンは優しい。しかし遺族や近しい人に接するジョンは言葉少なで、事務的に葬儀に参列を促すのみ。
亡くなった人の為の行動は、ともすると彼らを傷つける結果になるかもしれない、自分の自己満足かもしれない、そんな考えがジョンに多くを語らせない。

寡黙な男の、内に秘めた優しさが美しく、切ない。そんな映画でした。