なつみかん

の・ようなもの のようなもののなつみかんのレビュー・感想・評価

3.0
亡き、森田芳光監督の原案にして、残るスタッフと過去作の有名キャストの多くが登場しオマージュ捧げるこの1本ということですが・・・
それで、できますものは?

落語〝居酒屋〟の小僧さんの口振りに、題をとったのが〝の・ようなもの〟でしたね。

小僧さんの台詞はこんなです。
「できますものはぁ〜
汁(つゆ)、貝柱(はしら)、鱈昆布(たらこぶ)、鮟鱇(あんこう)の・ようなもの、鰤(ぶり)にお芋に酢蛸(すだこ)でございます。へぇ〜い!」

まだ本物にはなりきれない、落語家の・ようなものだった志ん魚のこと。ひいてはそれぞれのまだ本当のモノになり切れず、の・ようなものでいる観客の心に刺さっていたと思うのですが・・・

の・ようなもの のようなもの で出されたモノは?
頂けないタイトルだと思います。
語呂にしても、意味合いも!
○○みたいなものって、卑下をするのやら、パクリ、真似だとの開き直りなのですか?
本来だったら、ちゃんとしたものになっていないと駄目なんだと思うのです。

話は、そう悪くはなかったと思います。
面白くはあったのですが、かと言って響いてくるほどには感じませんでした。

洋画の〝クリード〟が『ロッキー』の名を冠せなかったことで興行的に苦戦していると聞きます。
それからすると『の・ようなもの』とつけることで、公開初日の午後の回では(僕には)意外にも満席がでていたのは、やはり監督・森田芳光の威光なんだと思います。

でも、そんな商売上手だったら要らない。
次は、森田監督の名前なしで、
できますものは?

なんて勝手な事を言ってみる。
(^_^;)
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