映画ケーン

デッドプールの映画ケーンのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
5.0


なぜもっと評価が高くないんだ!!


「アクションが少ない」って批判があるみたいだけど、予算が少ないから仕方ないんだよ!そしてこの映画がいかに画期的だった事か!

主人公ウェイド・ウィルソンは虐待を受けて育ち、軍に入れられ酷い殺戮を見せられる。そんな中、ヴァネッサに出会う。2人は愛し合い、やっと彼に平和が訪れる。しかし、末期の癌である事が判明する。そこで彼は癌を治してもらう様に怪しげな組織に頼むが、不死身になるのと引き換えに身体中を醜い姿に変えられてしまう。ヴァネッサの前に出る事が出来なくなったウェイドは醜い姿を直してもらうべくデッドプールに変身、悪の組織と戦うのだった…!!

この映画の画期的な所はアメコミ映画でありながら、R指定と第四の壁の突破、そして時系列操作があるという所(R指定は映画『ウォッチメン』があるけど、あれは原作をほぼそのままやった映画だし、興行的には振るわなかったから「画期的」とは言えない)(『ブレイド』『スポーン』とかは観てないからあるかも?)。
『デッドプール』の原作自体その要素はあるみたいだけど、不勉強ながら読んだ事ないんであまり言えません。
ただ、そうだとしても映画を大ヒットさせたのは凄い。

まず、予算的な問題で見せ場が2つしかない。
それを時系列操作によって見事に乗り越えた。映画が始まると説明も無くアクションが始まる。観客をサスペンドしながらも、いきなり始まる映画特有の「アゲ感」でもある。その後「なぜこうなったか説明しよう」と、彼の過去が語られて行く。酷い生い立ちの末、冒頭のアクションに物語が追いつく。ただ物語を語るのではなく、順番を変えるだけでこれだけ面白くなる。

そこに『オペラ座の怪人』的な要素が入ってる。
つまり劇中で「恋愛映画なんだぜ」なんて言ってるけど、本当にそうなんだよ。

あと、物語は復讐劇。
だから、所謂スパイダーマン的なヒーローでは完全にない(でも『2』ではスパイダーマン諸々ヒーローを凌駕して真のヒーローとしての回答を出す)。

他の魅力は何と言ってもギャグ。
彼が自分が陥っている状態を客観視して言っている。自分が経験した、あるいは今起こっている事を茶化して笑い飛ばす。自分の平常心を保つ為に。だから、深呼吸みたいなもんかなw

アメコミならではの格好良さ、デップーならではのバカさ、映画ならではの枠(時系列操作など、物語と関係ない外側の部分)の面白さ、が合わさった最高に面白い映画。大好きです。
そして、それらこれまでのアメコミ映画に無かった表現使われる事で、「アメコミ映画」を一段上の段階に持って行った作品だと思う。
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