このレビューはネタバレを含みます
これ最高!映像はとにかくカッコいい。
ストーリーはまるでジェットコースターの様に上がったり下がったりと急展開です。
名門音楽学校で教鞭をとる鬼教師フレッチャーは有名な自分に認めてもらえたと人をいい気持ちにさせといて突然、F○CKを連発して、演奏をけなしまくります。
また、やっと主奏者に選ばれたと安心させといてわざと新たなライバルを連れてきて競わせたり、まるで飴と鞭によるスポ根の様な指導方法でドラマーのアンドリューを精神的にとことん追い詰めます。
やっぱりプロの世界は厳しいなぁ。
文字通り必死になって血の滲むような努力をした者しか這い上がれないんだと最初は呑気に観てました。
ところが段々フレッチャーの狂気に背筋が凍ります。ある意味ホラーです。
アンドリューは意気消沈して舞台を降りようと諦めかけますがフレッチャーへの反骨心からピンチをチャンスに変える行動に出ます。
そしてここからが最大の見せ場です。
ジャズは心の叫びであり、音による会話。
ジャズは聴くものではなく、観るものというジャズに対する私の思いが間違いでなかったと感じられるほどの圧倒的なセッションに釘付けです。
その演奏はまるで谷底に落とされた子ライオンのアンドリューが必死になって少しずつ這い上がってくる様子を母ライオンになったフレッチャーがようやく優しい眼差しと手振りで迎え入れて初めて2人の心が通じ合ったかの幕引きで自然と涙が溢れました。