評判通りの名映画。語りすぎない脚本が、スタイリッシュさの求められるジャズというテーマに合致。主人公の心理などに合わせて、画面構成や音量に工夫が凝らされているのが素人目にもよくわかる。
何より、ドラムに文字通り人生をかけ、昼夜構わず努力する主人公を前に、自分も何かに打ち込みたいという衝動に駆られる。
息子の幸福を心から願いつつも、どこか息子の夢を本気で取り合っていなかった父が、最後に息子の全身全霊の演奏を見て表情を変える場面が、物語の全像を表していて唸らされた。
終わり方も、物足りないくらいのスタイリッシュさで、見事としか言いようがない。
