あおみどろ

セッションのあおみどろのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
5.0
狂気の指揮者とドラマーによる音楽映画というかこれは最早一種のスリラー映画。「才あるミュージシャンを排出するため」という大義名分のもと生徒たちをシゴきまくるフレッチャーと、そんな彼の狂気に立ち向かい、血が滲むまで戦い、挫折し、それでも尚立ち向かい続けたことで狂気が伝染してしまったニーマン。狂気と狂気がぶつかり合うことで生まれる至極の「セッション」。これは物凄い映画だ。

ニーマンもフレッチャーも、所詮はただの音楽バカだという着地点が面白い。家族から認められる為、ジャズを延命させる為、究極のアーティストを作り出す為………なんてものは建前で、結局2人とも音楽がないと生きてけない人間なんだろうなーって。最早それは呪いに近い代物だろう………

言いたいことは山ほどあるのだが、兎にも角にもラストの演奏シーンはヤバい。ヤバすぎる。遂にニーマンがフレッチャーに成り代わる瞬間が来たぞ!!という胸アツ展開なのは勿論のこと、最後のニーマンとフレッチャー2人だけの「セッション」はまさに圧巻の一言。2人が分かち合うのに必要だったのは言葉でも決別でもなく「音」だったのだ………と。これほどエネルギッシュな演奏シーン、映画館で観たらヤバかっただろうな。間違いなく帰り道でぶっ倒れてた。
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