ずっと気にはなっていたけれど、情緒が安定している時に観たいなと寝かせていたのに、めちゃくちゃ不安定な時に観てしまうという不可思議。
ジャズは魅力にハマりきれてはいませんが、一般教養レベルには知っているよ程度の知識です。
物語は、ジャズドラマーを目指して音楽学校に通う青年が、完璧主義の鬼講師に出会うというお話です。
冒頭から軽快なドラム音。
画面は全体的に暗めですが、そのおかげでより音の迫力が伝わってきます。
主人公を演じるのはマイルズ・テラー。
鬼教官は名バイプレイヤーのJ・K・シモンズです。
今の時代じゃ勿論のこと、一昔前でも十分問題になり得る人格攻撃の強烈パワハラスタイルで生徒達を追い込みます。
てっきり主人公だけ目の敵にされているのかと思いきや、満遍なくちゃんと激しい指導でした。
その指導から全てを削ぎ落とし茨の道を歩み始めるマイルズ・テラー。
それなのに報われるシーンが中々訪れないのでずっと苦しいです。
中盤過ぎで大きな展開がありそこからは文字通り泥試合。
ハラハラが止まりません。
ここからどの様なセッションになるのかは是非ご覧下さい。
ラスト10分圧巻でした。
指導が難しい時代と言われていますよね。
私も後輩を指導する側の立場になりますけれど、言動にはかなり気を使っています。
本編とは関係ありませんが、1つ怖くなったエピソードをお話しさせてください。
娘の中学校を訪れた時の事です。
生徒が駐輪場でふざけているのを、男の先生がそんなとこで遊んでいたら危ないし迷惑だろと注意しました。
するとその生徒は「教育委員会へ言おうぜ」と言い返していました。
彼等がどこまで本気なのか、普段の関係性がどうなのか全くわかりませんが、冗談でもそんな事を言えてしまうなんてと身震いしたのを覚えています。
今作の指導法が正しいのかどうかは難しい所ですけれど、お互いに尊重し合い信頼関係がある上でのある程度強めの指導は必要なのでは無いかなと考えています。
特に本気でやるのなら。
色々と考えさせられる映画でした。