天

セッションの天のレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
5.0
並大抵の映画ではとうてい太刀打ちできないとんでもない熱量と迫力で、終始進んでいく。役者と監督と奏者の魂がこもった傑作。

ジャズというと、本作でも大学を退職後のフレッチャーがジャズバーで弾いていたり、JVCでニーマンを陥れたあとに演奏しようとしたような静かで落ち着いた音楽という印象があった。それを否定せんとする、ジャズバーでのフレッチャーの表情や、曲目を遮るように始めた独奏。
監督の熱い思いがひしひしと伝わって来た。

役者もそれに呼応するような、半ば狂気的なまでの迫真の演技だった。本来、音楽を調和させるための指揮者とリズムパートの戦いは心から興奮した。
ラストシーンは勿論、主奏者を決めるシーンも比喩表現でなく「魂が震える」熱いシーンだった。

自分も表現者としての情熱が奮い立った。是非とも映画館でこの熱量に魂まで焼き尽くされたかった。
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