ちむ

セッションのちむのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

前にWOWOWでながら見したことがあったけど改めてアマゾンプライムで鑑賞。
最後にシーンが変わってたような気がしたけど記憶違いかな。WOWOWの時はフレッチャーの口元がニヤリとするところで終わったと思ったけど、今回は口元が映らずフレッチャーが何かを言う→アンドリューが笑う→フレッチャーが合図を出してアンドリューがドラムを叩いて終わり。
いずれにしても最高の終わり方。
ただ途中までのフレッチャーのスパルタっぷりがとても怖いししんどい。本当しんどい。
練習始め前のフレッチャーは優しくて家族の話なんかもきくんだけど、練習が始まり何度やってもテンポが合わないと切れ出して家族の話を持ち出す。
とはいえアンドリューも鬱憤を溜めながらも負けずに練習するし言い返すこともあったが、大会当日会場へ向かうバスのタイヤがパンクしてレンタカー借りても遅刻。しかもスティックをレンタカー屋に忘れて取りに戻って事故に遭うとか、なんでこんな時にこんな不運が〜!と思う展開だった。努力してるのに意地悪だわ。結局大会ではうまく弾けずブチギレて終了。
フレッチャーは大学を解雇されて改心したかと思いきや、改めてアンドリューを誘ったフェスでフレッチャーが大学に密告したのはお前だろとアンドリューに伝えてなかった曲を演奏し始めて仕返しをする。まだ終わってなかったのかよ!!とまた心臓がキュッとしてしまったがアンドリューも黙ってない。失意のまま舞台袖へはけ、見にきていた父親と抱擁を交わすも再度舞台へ。フレッチャーがスローなナンバーを演奏すると言い出したがそれを遮りアンドリューがキャラバンを叩き出す。完全に主導権を握っていく様は見ていて気持ちがよく心の底からアンドリューを応援していた。そこから徐々にアンドリューを認め始めるフレッチャー。シンバルで追い返されたフレッチャーが倒れかけたシンバルを立て直す。最後はジャケットを脱いで彼の合図に合わせて曲を終わらせる。
過程は非常にしんどいけど最後のシーンをみせるためだけに作った映画といってもいいくらい感動する。立ち上がって拍手したい。
誰かがレビューでアクションって書いてあったけどまさにそんな感じ。
フレッチャーの言う天才は簡単に挫折しないし天才を生み出したかったというのが本音であれば、今回はうまくいったのだと思う。

ララランドでも使われてた向かい合ったキャラクターをカメラを180度振って交互に映す映像とかもあったし最後の演奏のショットの切り替えの速さでドキドキしたし、管楽器を吹く人の顔から楽器に向かって横移動するカメラワークとか写し方も良かったな。
あとボケた背景の向こうからアンドリューが寄ってきて立ち止まるところでピントが合うっていうシーンも印象的でどっかで使いたい。
ちむ

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