コマミー

セッションのコマミーのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.5
【狂気の塊】

※さぁ、今日は金曜ロードSHOWで「ラ・ラ・ランド」、そして今週公開されるディミアン・チャゼル監督最新作「ファースト・マン」。この2作をおさらいするには、まずこの作品を観ましょう。この監督の作品には、「夢」=何があるのを示したのでしょう。まず、この作品で、それを追ってみましょう。では、参ります↓


[狂気]…この言葉が似合う作品は、この作品で間違いないだろう。

[音楽]に情熱を燃やす人々は、常に自分のスタイルか何かを大切にし、自分の音楽というのを[確立]するものである。
そのスタイルは、[誰かに与えられた物]であるなら、伝承として、その人に受け継がれていく…。

この作品は、それを伝えたかったのかもしれないし、それ以上の物を伝えたのかもしれない。

冒頭から、主人公へ向かってゆったりと迫っていくシーンがある。まさにこれから、

"今からあなたを[狂気の塊]のような世界に誘う"

と言ってるような始まりであった。

一人密かに[ドラム]の音が廊下に響く。そこで、あの"男"が登場する。彼は、若者を見る度、威圧感を漂わせながら、彼を既に[何か]に変えようとしていた。

そして男のあの[行き過ぎた指導]にも、若者の音楽の道を行く故に必要な、[信念]を見つけようとしていたのかもしれないと、僕は思った。

そして、[ラストシーン]の事だが、指導者と若者の狂ったような日々を、覆い被さるように覆った、そんなシーンであったと思う。

最後に、なぜこの作品が狂気の塊であると思った理由が、もう一つあって、最初この作品を知った時、「少しクセがある音楽映画なのだな」と初めは思った。だが、男の異常なまでにあの若者のドラムに付きまとう様子を見て、これは、[暴力的なホラー]であると思ったからだ。

いかがだったであろうか、若者が血まみれになるまで叩いたドラム、それをボロクソに暴言混じりに、教唆する指導者。

二人が相対する時、彼らの中で、見えたもの。それは…


  "夢=揺れ動く狂気"


なのであった…。
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