ろーしゃーく

セッションのろーしゃーくのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
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「セッション!」鑑賞前に諸々の論争を観てしまったので、ニュートラルに観ることができるか不安だったけれど、学生時代部活動に打ち込んでいた自分には分からなくもない話だった。要するに"勝つ為の演奏"なのか、"奏でる事そのものが目的"なのかという事かと。
フレッチャーにとっては楽団の勝利こそが至上の目的で、その意味で生徒達には、"勝つために演奏する"事を執拗に求めている。この点は体育会系だった自分には自然に共感できるし、なるほど確かにスポ根的だなと。ただ、"演奏することそのもの"の楽しみやそれに付随する感動を知っているジャズの経験者の方々には、この点こそが認め難かったのかなと思う。"音楽はこんなつまんねぇもんじゃねぇ!音楽の可能性はもっと別のところにあるんだわい!"てな具合に。
個人的には、先述の通りスポ根的な世界出身な事もあって、ストイックかつ理不尽なしごき&それに対する何クソ根性な中盤までの流れは大いに共感できるしむしろ好み。それでもラストは、やっぱちょっと飲み込み辛い。周りのメンバー完全置き去りで自己満足だし、何より全然楽しそうじゃないんだもの!
スポ根出身者からしても、"辛く苦しいシゴき"に耐えられるのも"勝ちにこだわる"のも、最後には皆で喜びを分かち合う瞬間が待ってるからであって、自分の技術向上や復讐だけ果たして満足されてもそりゃスッキリしない。中盤まではスポ根感でOKだけど、自分勝手はチームスポーツ的にもアウトだよ!
ロッキー・バルボアだって、周りの人たちの手助けもしたし、最後はエイドリアンと喜びを分かち合ってたでしょ!
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