鹿江光

ランダム 存在の確率の鹿江光のレビュー・感想・評価

ランダム 存在の確率(2013年製作の映画)
3.9
≪78点≫:進化するSFスリラー。
秀逸!発想の勝利!有名な思考実験をベースに、うまいこと世界観を創り出しているSFスリラー。
共存の崩壊はラストまで解らない。分岐した自分自身との駆け引き、作られていくルール、序盤のパニックになっていく過程も良く、それでいてオチも申し分ない。
シチュエーションスリラーはまだ進化できる。内容の知的さと稚拙さのバランスの取り方は、多少なりとも問題になってくるが、それでも本作は良く出来ている。
超常的なスリラー、世界そのものを懐疑し始めるミステリ、無数に自分が存在するというスリル、そして殺られる前に殺るというお決まりのサスペンス。わずか90分の間に、様々な魅力が詰まっている。
思考実験という意味での「共存の崩壊」の危機が、さらに身に迫った「共存の崩壊」の危機へと姿を変えていくラストが素晴らしい。
鹿江光

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