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ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンスのkyonのレビュー・感想・評価

3.0
ラスト二部作は、元々の暗めの雰囲気とカットニスの悲劇性が重なり合う物語に。戦争にはメディアがつきものである状況を作品全体を通して描き出してる。


カットニスは前作のラストで反乱軍に救出され、「反乱軍の革命の象徴」として選ばれる。もはや彼女は望まなくても「広告塔」にならざるをえない状況に。
でもそれはやっぱり彼女に守るべき家族がいるからであって、彼女の生きる意味の1つであることがわかる。

華やかな衣装を脱いで着ているのは反乱軍の制服。
この同じ制服に身を包む状況がすごくファッションの差異の可視化という面を曝け出してるなぁって感じで、この統一が逆に不気味に見える。

で、反乱軍を率いるコイン首相。
女性なんだけど、この不気味さ後ほど当たる笑
コインって名前も象徴的だよね、裏と表を持つ物質からその目論みが度々見える。

カットニスたちは独裁国家の首相スノーを暗殺するためにキャピトルの首相官邸を目指す。

ミュタントていう人造人間みたいなやつらが襲いかかってきたときはあれ、この作品こっち側か…!?と突っ込んだけど、これで仲間が1人亡くなる…。

でクライマックスでは、なんとも悲惨な状況で、官邸まであと少しのところで避難してきたキャピトルの住民たち、子供たちもろとも爆発に巻き込まれる。

ここで妹であるプリムローズを亡くしたこと、国のプロパガンダとして利用され続けたカットニスの悲劇性が際立つし、戦争の残酷な部分を見せつける。

だからラストのカットニスの弓はここで唯一彼女が自らの意志で射ったものだからこそ重要な場面だし、観客は彼女の弓矢によって一瞬この世界の中にちょっとした安堵を得る。

正義の不在っていうテーマもあるけど、戦争はまさに大義によって先導されるものだけど、その先には正義というものは消されていくし、ハンガーゲームのような憎しみの連鎖になってしまうこと、なんとも現代の物語だなと思いました。