アルコ

百日紅 Miss HOKUSAIのアルコのネタバレレビュー・内容・結末

百日紅 Miss HOKUSAI(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

メモ

江戸を舞台に短編短編を繋ぐようにお栄と彼女を取り巻く人々の日常を描いたファンタジー作品。アニメだからこそできる表現が散りばめられていて良かった。
江戸の人たちの生活音も含めて音楽がとても良かった。百日紅がうつり、タイトルが出るイントロにも引き込まれる。
近代化が進むにつれ薄れていった濃密な闇、その中に潜んでいた妖怪や奇譚が梶井基次郎の闇の絵巻を彷彿とさせてゾクゾクした。
まだ平均寿命が短かった時代の噎せ返るような生とあっけらかんとした死の匂いも印象的だった。
ただ、一貫した流れはあるものの季節も場面も転々としており、登場人物も多くは語らないため心温まるストーリーや女性が一矢報いる痛快な逆転劇を求める家族で見に行く、恋人と見に行くような万人受け作品ではないと感じた。
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