白鳩なんか喰い殺せ

赤い唇/闇の乙女の白鳩なんか喰い殺せのレビュー・感想・評価

赤い唇/闇の乙女(1971年製作の映画)
4.0
4度目くらいの正直で鑑賞。会話を嗜む気になったナルシストなカップルが「夜が無限の夜となるのを幾度も見てきた」と言うセイリグ様演じるイカれた吸血鬼(彼女の古城が舞台ではなく、彼女の出向いた先が古城へと変貌するのがよい)と出会う。ダニエル・ウィメが無条件にセイリグ様に飲み込まれる展開には、暴力による加害はひとまず去ったにせよ異なる隷属関係へと移ったに過ぎず、ウィメの視点に立てば解放に関する物語ではないのでは?この調子なら2も作ろうぜ!?と思ったところにまさかの泣く子も黙る締め方が入り唖然とした。無数にある好きな絵で特にお気に入りなのは、ジョン・カーレンが強姦まがいに迫った挙句死んでしまったアンドレア・ラウを埋めに行く時に青い夜のもと白い布に包まれた彼女の遺体が顔を出しマグリット『恋人たち』の奇妙にも冷たいパロディになる場面。