【第88回アカデミー賞 助演男優賞受賞】
なんでスピルバーグってこんなに完璧な映画撮れちゃうの…？逆に怖いんだけど。
登場人物おじさんばかりで題材としては地味ではあるんだけど、寒々しい東ベルリンの風景が美しかった。
敵国の男同士の友情に感動しつつも、独り立ちつくすトム・ハンクスの無力感がなんとも言えない後味を残す。終わり方はオーソドックスではあるけどとてもいい。電車からみる風景の反復がとても印象的だった。
誰かがスピルバーグは空間の映し方が上手いって言ってたんだけどまさしくその通りだと思う。弁護士に会おうと訪れるといつくものドアを通っていくところとか、クライマックスの橋の映し方が素晴らしい。
気持ちのいいテンポ感、人物の捉え方、伏線の見事さなど演出、脚本、撮影、演技どれをとっても一級品。
抱擁されずに車の後ろの席に乗せられたのがこれみよがしじゃなくさりげなく映されるのが逆に不気味。テレビでは自由の身になったと言われているが実際には分からないという…
男の友情物語としても、政治劇としても完璧すぎる一作。スピルバーグってやっぱりすごい。
