ジェイティー

ブリッジ・オブ・スパイのジェイティーのネタバレレビュー・内容・結末

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

米ソ冷戦下、保険弁護士のジェームズ・ドノヴァンはソ連のスパイであるルドルフ・アベルの弁護を受けることになる。敵国のスパイを弁護することで世間からも非難を受けるもなんとか死刑をさけるべく保険弁護士としての巧みな話術で判事を納得させ死刑を免れることに成功。結果自宅を襲撃されたりとバッシングにさらされる。
一方、ソ連を秘密裏に偵察していたパイロットのフランシス・ゲイリー・パワーズがソ連の捕虜となってしまったことでアベルとの捕虜交換のためドノヴァンはCIA長官アレン・ダレスからあくまで民間人として交渉役を依頼されるお話。

スピルバーグ×トム・ハンクスという間違いない組み合わせによる本作
やはりスピルバーグのセンスが凄いです。
とにかく画面の中でどこを注視してほしいかが大変分かりやすく
暗い場面でも何が起きているのかはっきりわかるところは流石としか言いようがないです。
また難しそうな題材にも関わらず教科書ともいえるお話運びは長年編集を担当しているマイケル・カーン氏の力もあるのでしょうが141分が長く感じない所はお見事。

中盤のベルリンで列車に乗っていたドノヴァンが壁を越えようとする人々が射殺されるところを目撃するショッキングなシーンは、派手な動きが少ない分とても印象深く、緩急のつけ方が上手いと思いました。
また、このシーンの対比がクライマックスにあるのも観ているお客への意図的な印象付けだったのだなと感心しました。

トム・ハンクスは近年あまり作品に恵まれていないように思いますが本作では相変わらず抜群の演技力で引き込まれました。
その他ルドルフ・アベルを演じたマーク・ライランスも老練のスパイがカッコよく「不安が役に立つかね?」というなんか分からんがカッコいい事言っていて好きでしたし、ドノヴァンの娘の彼氏って・・・とか
1ドルコインに仕込まれている毒針ってなんか不自然なような気もしたり、雨の中追跡されていることに気がついたドノヴァンが車の陰に隠れる一連のシーンがヒッチコックっぽさとエクソシスト感のあるめちゃカッコよかったりと脇の部分でも見所満載で大変満足できる内容でした。

141分ですがあっという間に終わるので秋の夜長にお勧めです。