みかん

ダムネーションのみかんのレビュー・感想・評価

ダムネーション(2014年製作の映画)
3.5
現在、一人卒業旅行で南西諸島を巡っています。映画を上映する劇場としては国内最南端にあたる小劇場が石垣島にあると知り、せっかくなので訪問・鑑賞してみました。

「ゆいロードシアター」というスクリーン1つのシンプルな劇場です。映画の上映だけでなく舞台としても使われるようです(純粋な映画館という意味では国内最南は宮古島のパニパニシネマになりそう)。雰囲気は在りし日の立誠シネマとみなみ会館を足して2で割ったような感じ。舞台としても使われるため少々スクリーンまでの距離がありますが、立派な劇場でした。

本作は、アメリカに濫立するダムの存在意義を再確認しようというドキュメンタリー。(2月から『ソニータ』が上映されるということで、ひょっとしたらこの劇場はドキュメンタリーのチョイスに凝っているのかも)
一言でまとめれば「必要なダムと必要ないダムをしっかり見極めて、正しい選択・処理をしていこうね」となるのだがなかなかそう簡単にはいかないのが人間。

発見だったのは自然の回復速度で、ダム撤去から数年早ければ1年で元の姿を取り戻そうとする。劇中の言葉を借りて「信頼に足る」と思うと同時に、自然の驚異と脅威の裏付けでもあるなぁと改めて思った。

僕のバイク旅においてしばしばダムは目的地になってきた。ダムは自然に挑んだ人間の技術と誇りの結晶であり、人工物にそれほど関心がない自分としては例外的に心惹かれる建造物であった。ただ昨年の豪雨などを見てもダムが存在価値を発揮できていないことも多いのかもしれない。日本ではあまりダム撤去を目指す運動は聞かないけどきっと無意味なダムも多いのだろう。(八ッ場ダムとかあったか…)

ドキュメンタリーとしてはギリギリ中立的、もともと関心のあるテーマということで興味深く見られた。最後に、石垣島の小劇場でこの映画を上映している理由について考えてみたい。まっ平らな宮古島などと比べて、石垣島はだいぶ山がちな地形である。パッと地図を眺めてもそこそこ大きいダムが多数目に留まる。島唯一の劇場で上映するには独特なセンスだなぁと思ってたけど、予想以上に島民にとって身近なテーマだったのかも。明日はダムに注意を払って島巡りしよう。
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