JIZE

海底二万哩のJIZEのレビュー・感想・評価

海底二万哩(1954年製作の映画)
3.0
19世紀の米国を舞台に謎の怪物が世界各地で出没し船舶が襲われる事件の真相を描くウォルト流のSF科学映画‼海底散歩での世界観や平和主義者ネモ船長の博識な万能感(個性)を称賛‼ネモ船長の強烈な存在感に尽きました。なので海洋学者アロナクスや助手のコンセイユは(それを盛り上げるための)引き立たせ役あるいは付属感に感じてしまった。原題の『20000 Leagues Under the Sea』は"海底を巡航した距離"を指している。深海に潜る由来ではない事を先述。また関連性で思い浮かぶのが東京ディズニーシーのミステリアスアイランド(エリア)に停泊する同名人気アトラクション「海底二万マイル」ですが映画本編でもネモ船長が操る潜水艦ノーチラス号を画面で目の当たりにした瞬間は両者が重なり感動的でした。映画化の元はジュール・ヴェルヌのSF小説「海底二万里」をウォルト・ディズニーが映画化,という運び。本編中でもネモ船長が科学の原理を駆使して画期的な発明に成功し優雅な生活を送ってる部分は至高を促される部分だし魅力的に思えた。またネモ船長が作るタコのソテーやウミヘビのステーキなど創作料理が(物語中には)満載で海底農園を用い管理システムのもとウミガメや魚を養殖してる細部の設定なども世界観の作り込みが見事だと感じました。ネモ船長の博学ぶりが伺える多趣味感が貪欲さを裏側では覗かせたりいい。沈没船から回収した宝を潜水艦の錘に当ててる部分は大いに笑えましたが…。特に戦争代行など科学エネルギーを乱用せずあくまで平和主義者な立場でノーチラス号を指揮するネモ船長の中立な人柄も良かった。ディズニー映画特有のユーモアを交えた演劇的でもあるコメディタッチの作風もお手の物でしょう。何より勇気や希望を秘めた壮大なアドベンチャー感。古ぼけた時代性の演出やお調子者が多数登場する構成などストレートに人物の感情を多感的に描き切る部分はTheディズニー,という感じで好印象です。ジュブナイル的な高揚感もありSF世界観を随所に忍ばせる誰が観ても楽しめる一本に感じました。また鑑賞後は東京のアトラクション版に乗りたくなりますね。全盛期の海洋アドベンチャー冒険譚を是非お勧めします‼!
JIZE

JIZE