この映画には台詞がないが、映像美に魅せられた。風景もさることながら、主演のエレーナ・アンの美しさといったら・・。一編の詩を読んでいるような感覚になり、世界観に浸っていたのだが、ささやかながら平和な日常は少しずつ侵され始め、そして唐突に終わりを告げる。
草原の実験。このタイトルの意味をラストで初めて理解する。昇る筈の太陽は、こんな世界は嫌だとばかりにまた沈む。
アレクサンドル・コット監督は、旧ソで実際に起きた出来事にインスパイアされてこの映画を作った。言葉なくとも、伝わってくるものがたくさんある。