三樹夫

女バトルコップの三樹夫のレビュー・感想・評価

女バトルコップ(1990年製作の映画)
2.9
東映が作った『ロボコップ』女性版のVシネ。それ以上でもそれ以下でもないが、敵にサイキック筋肉マンがいるあたりがオリジナルというか、流行ってるものは全部入れようというのが東映らしい。
『ロボコップ』はデザインにメタルヒーローシリーズを参考にしていて、『ジバン』と今作は『ロボコップ』のヒットを受け作られ、そしてこの後メタルヒーローシリーズでも『ジャンパーソン』が作られるので、系譜的にはメタルヒーローシリーズ→『ロボコップ』→『ジバン』→『女バトルコップ』→『ジャンパーソン』という感じになるのかな。

今作は結構『ロボコップ』完コピで、冒頭の銃撃シーンは『ロボコップ』の銃撃シーンを思わせるし、敵キャラも『ロボコップ』風味の悪い人たちの集団が大企業に飼われているという感じだし、ニュース映像が挿入されるのも『ロボコップ』を意識している。
ただ東映は良く言えば泥臭く悪く言えばダサいので、予算とか関係なしにそもそも『ロボコップ』のセンスに及んでいないところが見受けられる。ディスコシーンで今作は始まるが、それがダッサい。『ロボコップ』のニュース映像は皮肉が効いているのが良いのだが、それもない。挿入歌が歌謡曲みたいな歌詞と、70年代下手したら60年代みたいな古臭い感じが漂う。『ロボコップ』の肝はバイオレンス描写だが、それも物足りない。

『ロボコップ』というよりかはかなりメタルヒーローで、同じみの採石場や工場にワープし、そこでのアクションが繰り広げられる。道路走っていて採石場にワープし次に工場にワープする、東映ロケ地のツアーみたいな一連のシーンは最早清々しい。
オープニングの「女バトルコップ」のタイトルが出方がもろ『仮面ライダーBLACK RX』で、宮内タカユキが歌いだしそうな勢い。音楽は川村栄二なので『仮面ライダーBLACK』および『仮面ライダーBLACK RX』感が漂い、劇中でも川村栄二サウンドが鳴り響く。挙句の果てにエンディングの映像がまんま『仮面ライダーBLACK』と、東映のお得意の手法で『ロボコップ』を作ったというような作品になっている。
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