Haruka

エレファント・ソングのHarukaのレビュー・感想・評価

エレファント・ソング(2014年製作の映画)
3.9
グザヴィエ・ドラン自身が
「この主人公(マイケル)は僕そのものだ」
と出演を熱望した今作。


精神科医ローレンスが失踪した事件で事情を知っていると思われる彼の担当患者マイケルから話を聞き出せと依頼されたグリーン院長。そんなグリーンにマイケルが真相を話す為に出したルールは3つ。

1.僕のカルテを読まないこと。
2.ご褒美にチョコレートをくれること。
3.看護師長をこの件から外すこと。

こうしてマイケルとグリーンの心理戦が始まるのだった…。


季節は冬。天気は曇り。ほぼ病院で繰り広げられる展開で病院独特の無機質で冷たい感じ。全体的に憂鬱感みたいなのが溢れ出ていて、マイケルの狂気的な演技に大いに貢献していた。

ドラン本人が出演を熱望しただけあり巧みな話術でグリーンを惑わしていくマイケル役がかなりはまっていました。演技力も天才的!!

マイケルとグリーンたちのキャストの演技には惹きつけられ観入りラストもそれなりに驚愕でルールや会話の中の伏線は切なくとても面白かったのですがマイケルが精神病院に入院することになったキッカケやローレンスの行方など期待値が大きかったせいか説得力に欠けるというかぱっとしないようには感じました。
マイケルの真の目的やドランの演技には一見の価値あり!!


今作は2回観た方が楽しめると思うのでもう一回観てみようと思います。


「マイマザー」「マミー」といいどれも母親が関わっているドランの作品。今作も母親が絡んでいてドランが一体どんな幼少期を過ごしたのか、母親との関係はどんなだったのかとても気になります。
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