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東海道四谷怪談のKのレビュー・感想・評価

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)
3.4
原作は4代目鶴屋南北の「東海道四谷怪談」。もとは歌舞伎狂言とあってその雰囲気をしっかり感じ取れる演出。炎にゆれるようなタイトル文字。工夫たっぷりの幕開け。打楽器の鳴り響く序盤の音楽が格好いい。カメラの直角移動。滝。へび。両国の花火。なかなかのクズっぷり。毒薬。間男。戸板返し。逆さ吊り。傾くカメラアングル。刀の効果音なし。映像的な演出の工夫がとにかくすごい。どの人物の前に現れるかによって姿の変わるお岩さん。昇天。やはり道徳的な側面が濃い。ちなみにお皿を数えるのは皿屋敷のお菊さん。亡霊怪猫屋敷よりはホラー色が強かった。とは言え目を背けるような怖さはなし。60年前ならではの工夫に感心させられた。
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