しろかわ

ズートピアのしろかわのネタバレレビュー・内容・結末

ズートピア(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

動物社会を通して人間社会の差別問題を中心とした社会問題を描いており、最高!とまではいかないが普通に良い内容だった。
それよりなにより、この作品の魅力はキャラクターにある。キツネのニックがとにかく魅力的だった。
今でこそ詐欺師をしているが、本当は正義心が強く純粋なニック。過去、キツネであることから偏見を受け、純粋であるがゆえにひどく傷ついた彼は、心を閉ざしもう傷つかないことを決めた。
そんなニックが、ウサギのジュディと出会い、少しずつ心を開いて本来の自分の気持ちに正直になっていく姿が愛らしく、とても良かった。
その過程に葛藤が殆ど見られず、そこが若干の違和感ではあったが、彼の元々持つ純粋さ、素直さ故であったのだろう。(ということにする。)
ニックは途中、ジュディから、彼女に潜在的にあった自分(肉食動物)に対する偏見を含む発言を受ける。これは心を開き始めた彼にとって非常にショックなことであったはずだが、一時田舎に帰ったジュディが戻りニックに謝るシーンで、もう気がない素振りをしながらも実はジュディの声を録音しつつあっさり許してしまう姿から、傷つかないことを決めたと言いながらも、本当は誰かを信じたかった、希望を捨てられなかったニックの心情が見えた気がした。ジュディの携帯していたキツネ避けスプレーにも気付いていたし、きっとそうだと思う。