オトギバナナ

モアナと伝説の海のオトギバナナのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
4.8
「心にひびくのは、ちがう歌」

100映画祭にて再鑑賞。やっぱすごく良かった。大満足、大好き。ポジションを得るためでも、安全なところに行くためでもなく、自分の心の声に耳を澄ませ、冒険に出かけるモアナがすごく好き。

ココナッツマッドマックスから「きたーっ!」てなる。戦うわけでもなく、大太鼓たたくためだけに存在してるココナッツが愛しい。そこで、自分の体を使いこなして、自ら動くモアナかっけー、憧れる。

ディズニーお得意の群像劇ではなく、劇中出てくるのは、ほとんどモアナとマウイの二人きり。しかも海の上で視覚的な情報がほとんどない。だけどその余白を、きれいな海、星、歌声で埋めてくれるから、心地よくて仕方ない。

モアナとマウイの互いの寄り添い方も良いし、おばあちゃんの寄り添い方がいちいち泣ける。けしてアドバイスするわけでも、道を示すわけでもなく「あなたはどうしたいんだい?」と、やさしく抱き締めて問いかけるおばあちゃん。そう、「決められるのはあなただけ」

そして屋比久知奈さんの、透明で澄みわたった素晴らしい声!だけど力強くて、一言一言に想いが詰まっていて、胸に響くのなんの。

冒頭の、ディズニー名場面集みたいなのもプチ幸せ。エンドロール眺めてたら、タイカワイティティの名前出てたり、音楽にリンマニュエルミランダも担当してたり新発見。なぜにシュガーラッシュの絵でてきたんだろ。

夜星のシーンが美しいだけでなく、火山の表現が大迫力で、ずっと映画館で見られなかったのを悔いていた作品。今回、映画館で歌、絵、物語、想いを浴びられて最高に幸せでした。