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さらば、愛の言葉よのooののレビュー・感想・評価

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)
4.0
会話場面において一人を追って右にパンすると、左右の眼にずれた映像をそれぞれ見させることにより3Dになる特性を活用し、左右二台のカメラの内ひとつが右についていきもう一つはそこに留まることにより我々の眼には拡張された画面が映る。二重の画面がひとつのショットに存在する新たな瞬間、はまさに映画史上初めての感覚だろう。左右の眼が異なるものを見るという3Dでは当たり前の事実をゴダールは映画の中で指し示す。そしてこれまでの飛び出させる3Dではなくゴダールの3Dは奥行きを示すための一手段であり、映画自身に映画を返す動きに思えた。これまでのカメラの枠内・枠外だけの物語ではなくより空間を意識させた新しい物語。そしてそれは我々が語るのではない犬が語るのだ。
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