僕は関西人で、西成のあいりん地区を知っているので、ある程度の予備知識があるのだが…。いや、もしかすると、その事が作品を見る目を曇らせてしまっているのかも。
ただ、初見で「あの街」の持つ不穏さや、それに相反する「良くも悪くもなんでも受け容れる懐の深さ」みたいなものを感じることはできるのだろうか？
主人公のクズさが（彼はあくまでも街の案内人に過ぎないと思っているのだが）、観るべきポイントをずらしてしまってはいないか、とも感じた。
急速に淡白な社会に移行しつつある現代ニッポンで、このようなある種過去の遺産のような街を描く作品があることは、良いことだと思う。
