ラヴクラフトの世界観に影響を受けたジョン・カーペンターによる超自然ホラー。
行方不明のホラー作家を探す保険調査員が現実と虚構の狭間に迷い込んでいく物語です。
ミステリー調の前半は不穏な空気をじわじわと積み上げ、存在しないはずの町にたどり着いてからの後半は悪夢と妄想とフラッシュバックが入り乱れるカオスな展開へと突入していきます。
物語の整合性を取ることよりも演出のアイディアを披露することを楽しんでいるようで微笑ましく、終盤に安っぽいクリーチャーが登場した時はこれがクライマックスかとガックリしかけましたが、単なる個人的趣味でしたと言わんばかりにそそくさと切り上げてくれたので安心しました。
そしてメタ的な視点と循環構造で観客をこの悪夢の中に引きずりこむ結末も良かったです。