M少佐

バットマン:ダークナイト リターンズ Part 2のM少佐のレビュー・感想・評価

5.0
 1998 年邦訳初版。
21年前、このコミックスを手に取って受けた衝撃は、今でも忘れない。
この頃の私は今ほどバットマンに造詣も深くなく、マーベル面白い、エックスメンこそ至高と言う、にわかな男。
実際の発表は1986 年の傑作コミックスであり、随分と遅れて抄訳されていたのだと今は思う。

内容は完全にパラレルワールドであり、今の時系列からは完全に逸脱した「if」の世界。
劇中で冒頭に語られるのは全てのヒーローが引退し、唯一スーパーマンがアメリカ帝国の走狗として存在を許された世界。
まだソヴィエト連邦の驚異が残る、仮初めの平和の世界。
ヒーロー不在の10年…当然、魔都「ゴッサムシティ」はミュータントを名乗る異形の男に率いられた集団が牛耳る、犯罪多発地域に逆戻り…
老いたバットマン=ブルース・ウェインは、過去のトラウマと過ちと葛藤を続けて生きている。

DC. が力を入れているアニメシリーズの一つではあるも、パート1パート2に分かれている為、2時間20分にも渡る長編になっています。
正直、このシリーズに外れはない(個人的に)と思っていても、この名作を果たしてアニメで再現できるのか?このストーリーに果たして絵と声優さんは着いてこれるのか?不安しかありませんでした。
今となっては全てが杞憂、時間の経過と共に技術も向上し、見終わって涙が出ました。
よくぞ作ってくれたと。
完璧なアクション、間、音楽と、見えなかった部分までの作り込み。
何よりもキャラクターへの愛。
映像特典からも作り手からの強い意思を感じます。
流石の老舗、マーベルでは、こうはいかない。

誉めすぎましたが、やはり傑作。
バットマンマニア、DCマニアは必見と言わざるを得ない。


ジョーカーが出るぜ!
M少佐

M少佐