まいこう

トイ・ストーリー4のまいこうのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
4.5
MX4D・3Dで鑑賞しました。
観た直後は上手く表現できなかったので、時間をおいて感想です。
私の中では「トイ・ストーリーの4作目」として最良の映画でした。
※下の方にちょっとネタバレあります

同年代の方は同じ心情かと思いますが、私もトイ・ストーリーとともに大きくなった世代で、1作目はビデオテープが擦り切れるほどに何度も観ました。

トイ・ストーリー3でおもちゃたちの次のストーリーが始まって完結、という雰囲気だったので、4が許せないという気持ちも正直わかります。
(5を作って落とし前つけろ!という友人もいました)

今回は予告の段階から、ボニーがウッディそっちのけでフォーキーに夢中になるのは明らかでした。
なので、ウッディがどう折り合いをつけていくのかが気になっていたのですが、まあたしかにまさかの結末ではあったかな…

でも個人的に「野良おもちゃ」という概念はすごくわくわくしました。
ロッツォみたいに悲しい出来事に遭遇したおもちゃもいるだろうけど、持ち主がいなくとも世間に溶け込んで上手く生活してるおもちゃがいるという設定は、小さい頃に自分の手を離れたおもちゃもどこかで楽しく暮らしてるんじゃないかと思わせてくれたので。
誰のものでもなくなったおもちゃが、ある意味永遠に楽しく暮らすという設定には何かロマンを感じました。
自分にとって都合のよい見方かもしれませんが…

これがトイ・ストーリーの1作目だったら何コレ?という感想になったと思います。
しかし世代交代も終わり、ボニーにも新しい大切なおもちゃができて、ウッディも自分のポジションをフォーキーに譲る…というのが何とも感慨深かったです。
1・2・3あってこそ、納得がいくラストに感じました。

あとフォーキー、予告で観たときはなんじゃこのキャラと思っていたのですが、とてもかわいかった!
ストーリーが進むにつれて愛着を持てる不思議なキャラでした。
ボニーの思い入れをトレースできる巧いキャラメイクだったのかなと思います。


マイナス点としてちょっと気になったのが、ボーが強い女!!!みたいな描き方をされている点です。
たしかに今回のボーにはかっこいい魅力がありました。
けどやっぱり、陶器のランプについてる羊飼いのお嬢さんというイメージも強かったためか、ここでGIRL POWER!的なメッセージ性いるのか?トイ・ストーリーに?とは思ってしまいました。

4は当初ウッディとボーのラブコメと予告されていましたが、監督や制作メンバーが入れ替わったことで話の大筋もテコ入れされたのかな〜なんて思ったりもしました。
元ピクサーの方が「ピクサーは素晴らしい会社だけど、規模が大きくなったので昔のような実験的なつくり方が難しくなってる。ディズニー傘下になって株主なんかも大勢いるし、制作スタッフも大勢だし、当初とは組織が大きく変わった」と講演で話していたのを観終わってしばらくして思い出しました。
最近のディズニー映画にも多方面への配慮を感じるし、同じような配慮がきっと必要だったり、時流をより重視しないといけなくなったのかなと。
ピクサーファンなので考えすぎかもしれませんが…

あとギャビー・ギャビーはかわいかったけど、トーキー機構をオペで取り出すのはなかなかの残酷描写だったな…

ウッディが野良おもちゃになってしまった今となっては、5が出たとしたらどんなストーリーになるのか全く想像もつきませんが、結局はまた好きになってしまう気もするなぁ。


映像表現は今回も、本当に素晴らしかったです。
子供時代に観たトイ・ストーリー(世界初のフルCG長編アニメだとか)にも感激しましたが、今回は冒頭の雨やボーの陶器の質感、砂埃や移動遊園地の風景など、実写か?と疑うほどにさらに進化しています。

そして、MX4D・3Dの演出がとてもよかった!
オープニングから心奪われました。
ウッディ目線でリュックの中から透明ビニール越しに部屋の様子を伺うシーンでは、まるで自分がリュックの中にいるような遠近感を味わえたし、デューク・カブーンの登場シーンでバイクの煙のような匂いが漂う演出には臨場感がありました。
登場人物に近づいたり遠ざかったり、目線が変わる動きがなんとも切ない味を出している場面もよかったです。

4Dでの鑑賞は初めてでしたが、これを機にどんどん観てみようと思います。
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