無名のひと

ミック・テイラー 史上最強の追跡者の無名のひとのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

舞台はオーストラリア。
ドイツ人バックパッカーのカップルが、ミック・テイラーと言う殺人鬼に襲われる。
命からがら逃げて来た女性を助けて車に乗せたイギリス人観光客のポールが、今度はミックの邪魔をしてしまったとしてミックに襲われてしまう。

ドイツ人の男性を殺して解体するシーン、ぺニスにはモザイクなのに、臓物にはノーモザイクなのがシュール。
獲物に対する執着心は羆かと。
ミックと対峙して生き残る為、酒を飲んだり歌ったりクイズに応じたり、ポールは賢く粘り強く本当によく頑張った。
ラストは、「負け犬」と書かれた紙を手に、下着姿で町に放置されるが、その辺りがよく分からなくて、それまでの緊迫した雰囲気から急に肩透かし。
ミックの動機としては、邪魔者は殺すとして、メインの動機は外国人観光客を狙っている様子。
作中、「よそ者」「害虫」「外来種」と呼び「絶滅させないと」と発言。
オーストラリアの歴史に詳しく、「この国を美しく保たないとな」など、歪んだ愛国心を翳す理不尽な殺人鬼。
いやいや、これ冒頭で実話に基づいてるって文章ありましたから。
そんなん、オーストラリアが美しいと思えないし行きたくなくなるわ。
…でも、広大な荒野の朝焼けや夕日は皮肉なほど美しい。
一番の皮肉は、この映画がオーストラリア作品だと言うこと…。
理不尽な怖さは、「テキサスチェーンソービギニング」でのホイト保安官の方が上かな。
カーチェイスの迫力と、愛国者っぽいのにカンガルーをバッタバッタと轢き殺すシーンは見応えがあった。
ミックの射撃と運転と乗馬の技術はかなりのもの。
序盤のバックパッカーカップルに時間を割きすぎて、後半見るのが疲れてしまったのが残念。
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