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グッド・ストライプスのamuのレビュー・感想・評価

グッド・ストライプス(2015年製作の映画)
5.0
最近満点出し多いな、私。笑
好きかつまらないかで言ったらもはや映画なんて満点かそうでないか、客観的にいいんじゃない?で星真ん中なのかなと感じている今日この頃です。

緩い日常リアリティそして画と色味と空気感がフィルムぽい好きなタイプで、文句無しに普通に満点な作品でした。

菊池亜希子さんが好きで、だけれど作家や編集者やモデルとしての彼女のことしか目にしたことが無くて、もちろん女優さんをしていることは知ってはいたけど、これが今になってやっとの初見の作品となりました。

正直期待していなかった。自然体を売りに棒な演技なのだろうと思っていた。ところが、とっても良かったので驚いた。ちゃんとした自然体だった。動いて喋るあっこちゃんも、紙面でおもちを頬張るあっこちゃんくらいに魅力的でかわゆくて素敵だった。時折物凄く美しく見える彼女は、本当に内面から醸すものを持っているなと思う。

相手役の中島歩さん。彼のことも初見でしたが、あっこちゃんと同じ魅力を醸す表情ひとつひとつを焼き付けたくなる、そんな俳優さんでした。うじきつよしさん久しぶりに見たけどいい歳の取り方してるなー。そしてここで中村優子さん登場ていうキャスティングの妙にちょっと鳥肌立った(感動という意味で)。個人的に好きな臼田あさ美さんはもう、リアリティ線上の美人、心からお友達になりたいいい感じの人日本代表。カフェのキッチンにこんな二人がアルバイトしているなんて最高すぎる店だなと思ってしまった。

あと本当、男が友達の結婚式二次会行ったあとってこういう流れがルーティンになってしまっているから、「友達の結婚式に行く」という彼氏をお持ちの女性の方は覚悟が必要です。

お話は、人の日常を見させてもらった感で、普通にある本当にただただ日常で、結婚てこうだし、お互いの家族に会ってごはんを食べることってこんなだし、その普通さを小さなわくわくした気持ちで観させてくれた監督の手腕に悦びがありました。巧いです。

みどりにクセがあるからこそのお姉ちゃんだったり、妹ちゃんもたんに可愛いだけの子じゃなくて、選んだ職業にクセがあったり。

二人の居場所を引きで窓の向こうの景色で見せるカメラワーク、アルバイトのキッチンでオリジナルジュースを作ること、スタバでテイクアウトしたサンドイッチを打ちっぱなしのベンチで食べる友達、黒髪ショートボブを荻窪っぽいと揶揄しつつ今日は下北ぽくてだんだん渋谷に近づいているという表現、写真家のお父さんの愛を感じる万年筆、お父さんの子だなと感じさせる無意識なのか意識的なのかいつも写真を撮るまおくん、和歌山という土地の空気、冬の流しそうめん、救急隊の地元感、カシオペアの弔いに妹ちゃんが上げてくれた花火、どこに行くにも一緒のわんこ、和装の結婚式。すべてが愛おしかった。
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