小林卓也ソトのガクエン

ナイトクローラーの小林卓也ソトのガクエンのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
3.0
「サイコパス」と一口に言ってしまえば簡単ですが、道徳心の欠如、行動の異常を映像としてどう見せるのか、役者がどう演じるのかは難しい問題です。ジェイク・ギレンホール演じる主人公は、目的(スクープを撮る)に対する手段も行動も何も間違っていないし、きわめて合理的です。しかし、犯罪すれすれだし、道徳的に間違っていると言えば間違っていますが、それが彼の行動の合理性を貶めることにはならない(あまりに合理的すぎるという異常さはありますが、それは合理性以外の何ものでもありません)。でも、彼にはどこか「欠けている」ということを演じなくてはならない。そういった難しさがあると思います。

ひとつ映像的に気がついたのは、ギレンホールが歩くときに、腕を極力振らない、振っても下半身と同期しないという点に「異常さ」を感じさせる点でしょうか。最後のシーン直前に、他の通行人とすれ違う所がありますが、そこでとりわけ明瞭に分ります。

アクションシーンもなかなか引き込まれました。