ジェイク・ギレンホールの演技力に惹き込まれる作品。狂気のなかに、人を引き寄せ、惑わせ、動かす魅力がある主人公を演じている。
自分のやっていることは間違っていないし、成功すると確信してやまない主人公の言動は生活や出世に苦労している登場人物たちからしたから、どこかカリスマ的で付いて行こうかなと思わせてしまう。ただ、それは主人公からしたらあくまで自分のために都合よく利用しているだけであって他者のための行動ではない。その事に気付いたときにはもう彼の手の上で転がされている。何を考えているかわからない演技、そのサイコパス的な要素がより作品を魅力的にしています。
印象的だったのは、場面としては悲惨でいたたまれないシーンなのに、BGMだけが明るく、どことなく希望や充実感を表しているように感じました。主人公には不幸や破滅とは別のものが見えていたのでしょう。
