ナイトクローラーのAKITOのレビュー・感想・評価

出世欲と支配欲の権化のようなカメラマンのブルームが、ロサンゼルスを舞台に繰り広げる仁義なき報道戦争。昆虫のような人間が、ひたすらに手段を選ばずスクープを狙う姿が恐ろしい。ブルームの蛮行によって、未然に防げたはずの警官殺傷事件まで発生し、助手の男性まで死に至ることに。報道される情報は事実ではなく、発信者が都合よく切り取り、そして作り変えた「物語」に過ぎないということがよくわかる。ブルームのやり方が認められるこの世界は、何でもありなのだ。